Webマーケティングは、Web上で人を集めるだけでなく、誰に何を届け、行動につながったかを調べて改善する仕事です。未経験者は「SNSが好き」「広告に興味がある」だけで決めず、担当業務と数字を見て修正する過程まで試すと、向き不向きを判断しやすくなります。
- 主な業務は調査、企画、制作・運用、計測、改善の5つ
- 広告、SEO、SNS、メールなど、会社ごとに担当範囲が異なる
- 資格取得だけでなく、目的・指標・実施・振り返りを一組で示す
- まず30日で小さな施策を一周し、求人票と自分の適性を照合する
この記事では、5業務の実際、未経験から試す順番、求人票の確認事項まで整理します。
「Webマーケティング」という求人名だけでは、入社後の仕事を特定できません。広告運用が中心の会社もあれば、記事制作やアクセス解析を主に担う会社もあります。
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagも、情報の収集・分析、ニーズの把握、企画、関係者との調整を必要な力として挙げています。まず仕事内容を一つの華やかな作業に縮めず、業務の流れとして捉えましょう。
Webマーケティングの仕事内容は5つの業務サイクル

| 業務 | 何をするか | 新人が見せられる小さな成果物 |
|---|---|---|
| 調査 | 顧客の悩み、検索語、競合、既存データを確認する | 対象読者と悩みをまとめた1枚 |
| 企画 | 目的、届ける内容、媒体、評価指標を決める | 施策の仮説と指標表 |
| 制作・運用 | 記事、広告文、画像、配信設定などを作り公開する | 公開物または試作と制作意図 |
| 計測 | 到達数、行動、成果地点を確認する | 数字の記録と読み取りメモ |
| 改善 | 結果と仮説の差を考え、次に変える要素を選ぶ | 変更理由・結果・次の1手 |
実務では一人がすべてを担当するとは限りません。大きな組織では分析や広告運用を分業し、小さな組織では制作やディレクションまで兼ねることがあります。求人票を見るときは職種名より、最初の3か月で任される業務を確認してください。
調査・企画:誰の何を変えるかを決める
たとえば「資料請求を増やす」という目的でも、対象者がまだ課題を知らないのか、複数サービスを比較しているのかで、必要な内容は変わります。アクセス数だけを増やす案より、対象読者と行動を明確にした案のほうが評価しやすくなります。
未経験者は、誰向けか、どの悩みに答えるか、何ができたら成功かを一枚に書くところから始められます。
制作・運用:出して終わりにしない
記事、広告、SNS投稿などの制作は目に見えますが、それ自体が最終目的ではありません。公開前には事実確認、読者の理解、スマホでの読みやすさ、誘導先の一致を確認します。公開後は想定どおり届いたかを見ます。
広告運用を希望する場合も、配信設定だけでなく予算と成果を扱うため、架空の成果を履歴書に書かないことが重要です。
計測・改善:数字を責める材料にしない
数字は「何が起きたか」を示しますが、それだけでは「なぜ」までは確定しません。たとえば表示が少ない場合は配信量や検索需要、クリックが少ない場合は見出し・訴求、到達後に離脱が多い場合はページ内容や読み込み体験など、原因候補を分けます。
変更点を一度に増やしすぎると、何が効いたか分からなくなります。
GoogleはGA4のデモアカウントを提供しており、自分のサイトデータを変更せずにレポートを試せます。広告の基礎を知りたい場合は、Google公式のSkillshopに無料の学習コースがあります。ただし、画面操作や修了証だけで実務経験があるとは書けません。
学んだ内容を小さな企画と改善案へ変えることが大切です。
未経験から入りやすい業務と、誤解しやすいこと
job tagでは入職時に特定の学歴や資格が必須とはされていません。一方で、実務では分析、企画、関係者との調整など複数の力が必要です。「資格不要」と「準備不要」は同じ意味ではありません。
未経験募集であっても、どの業務を誰の支援のもとで始めるかは企業ごとに違います。
- 記事やSNSの運用補助:読者設定、原稿確認、投稿後の数字記録から入りやすい。ただし投稿本数だけを成果としない。
- 広告運用補助:レポート作成、配信結果の確認、文案の比較などを担う場合がある。予算と個人情報の扱いは企業の権限・手順に従う。
- アクセス解析補助:数字の抽出や定例レポートから始める場合がある。指標の定義と取得条件を合わせる。
- 営業・制作との連携:顧客の要望を整理して施策へ渡す。伝達だけでなく、目的と優先順位を確認する。
「未経験歓迎」でも、営業活動が中心でマーケティング業務に移る条件が曖昧な求人はあります。逆に、制作補助から分析へ段階的に進める求人もあります。入社時の配属、担当する媒体、教育体制、業務の割合を面接で具体的に聞きましょう。
30日で適性を確かめる小さな実務体験

1〜7日:求人と仕事を調べる
求人10件ほどから、担当媒体、最初の業務、求めるツール、研修の有無を抜き出します。企業ごとに用語が違うため、「SEO担当」「コンテンツ担当」「広告運用」の表記をそのまま比較せず、作業内容で分類してください。同時に自分が扱える小さなテーマを一つ選びます。
8〜21日:目的を決めて一つ作る
自分のブログ、公開できる小さな案内ページ、架空企業ではない自主企画など、権利と公開範囲を守れる題材を使います。例として「初心者が専門用語を理解できる記事」を一つ作り、読者、解決する疑問、誘導する次の行動を事前に書きます。
実際のクリックや閲覧が少なくても、制作の判断理由は残せます。勤務先の非公開データを無断で使わないでください。
22〜30日:数字と読者目線で直す
表示やクリックが取れる場合は取得期間と母数を記録します。少数データなら結論を急がず、読者が答えを見つけられるか、見出しが誤解を生まないか、スマホで読めるかを確認します。変える箇所を一つ選び、理由をメモしてください。
データが取れなければ「未計測」と書き、仮説と事実を混ぜないことが重要です。
「作ること」だけでなく、数字や読者の反応を見て、理由を考え直す作業に関心が持てたかを振り返ります。改善を試すのが苦痛なら、デザインや制作など別のWeb職を比較する選択もあります。
求人票・面接で確認する7つの質問
- 最初の3か月に担当する媒体と業務は何ですか。
- 企画・制作・計測・改善のうち、自分が担う範囲はどこですか。
- 成果指標は何で、短期数字だけで評価されますか。
- 誰が原稿や広告設定を確認し、失敗時はどう改善しますか。
- 扱う予算や顧客データに対する権限と手順は何ですか。
- 未経験者が独り立ちするまでの研修・相談先はありますか。
- 求人票の労働時間、勤務地、雇用形態と実際の運用に差はありませんか。
「幅広く任せる」という答えだけでは、成長機会なのか支援不足なのか分かりません。具体的な一日の流れ、担当案件数、レビューの頻度まで聞き、無理なく学べる環境かを判断します。求人票の読み方は未経験IT転職で求人票を見るポイントも参照してください。
向いている人・別職種も比べたい人
Webマーケティングに向きやすいのは、仮説を立てて試し、結果が予想と違っても理由を考え直せる人です。文章やデザインだけでなく、数字や関係者との調整にも関心があると続けやすいでしょう。ただし「数値が得意」である必要を最初から過大に考える必要はありません。
指標の意味と記録方法を一つずつ学べます。
一方、制作物を完成させること自体に最も喜びを感じ、成果測定や改善の反復を避けたい人は、Webデザインや制作職も並べて比較してください。人と調整する場面をできるだけ減らしたい人も、求人ごとの会議・顧客対応の割合を確認したほうが安全です。
職種全体の違いは未経験IT転職で職種を選ぶ方法に整理しています。
まとめ:職種名ではなく業務サイクルで判断する
- Webマーケティングは調査、企画、制作・運用、計測、改善をつなぐ仕事
- 担当範囲は企業によって違うため、求人票と面接で最初の業務を確認する
- 未経験なら資格だけに頼らず、30日で小さな施策を一周する
- データが少ないときは「未計測」とし、仮説を成果として見せない
- 制作、分析、調整のどこに関心があるかで、他のWeb職とも比べる
今日の一歩は、気になる求人を3件開き、「最初の業務」「計測する数字」「教えてくれる人」を書き出すことです。その3点が分かれば、次に何を試すか決めやすくなります。
参考にした公式情報
- 厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」
- Google Analytics ヘルプ「デモアカウントを試す」
- Google 広告ヘルプ「SkillshopでのGoogle 広告トレーニング」
最終確認日:2026年9月16日。求人条件や各ツールの画面・提供内容は変更されるため、応募・学習前に公式情報を確認してください。